2017年3月25日土曜日

サフィポッドを振り返る

サフィポッドとはRPG、Sophiahillの2ではあるがもともとの2であった「ケランジェロ洋服店」のシナリオや顔グラなどを全体的に大幅に修正、追加したもの。ケランジェロが出てくるケランジェロシリーズとしては最初の作品。時間軸としてはリカモーネ、ラヌアルピニの前。作ったRPGの中で最初から最後までちゃんと作ったのはこれが初めてだった気がする。最も力を入れた作品の一つ。


今回はリカモーネラヌアルピニに続いてサフィポッドを振り返ってみる。


とその前に。サフィポッドの前身でもあったケランジェロ洋服店というゲーム。これを振り返る。

ケランジェロ洋服店はサフィポッドとして完成する前のゲームで。当時サイトでは一番人気のあったゲームだったと思う。そのタイトルからちょっとだけ珍しいものだったからだったのかな、と。久々にそれを触ってみるとサフィポッドとはところどころ異なる部分があったことを思い出した。



・BGM

BGMは自作した曲を使っていた。そのとき曲を作ることもすごく楽しく思えて、覚えたばかりの曲作りソフトを触りながら戦闘やフィールド、町などの曲を作った。実際に流れるその低すぎるクオリティの曲に今ではおもしろみを感じる。

・やたらとひっかかるあたり判定

RPGのあたり判定の作りが甘すぎて町や外を歩いているとやたらとひっかかる。ひっかかってそのまま動けなくなってはまってしまうという恐ろしい仕様。それをそのまま公開していて、設定も用意していた。ひっかかりやすいけど早く動ける or 遅いけどひっかかりにくく歩く といったユーザーからすれば意味わかんない設定。すごいね。

ここからはサフィポッドで修正(変更)する前の部分を見てみる。

・マップ


マップが違う。 基本的な町や洞窟などの位置は同じなんだけど全体が見渡せるものだった。あとちょっと違う。いろいろ。追加されたり。

・戦闘画面と敵


上にキャラクターのステータスが表示されるタイプではなくて、右に表示させていた。リカモーネと同じ仕様。この仕様だと敵が数体しか表示できなかったため、サフィポッドでは上に表示させて敵をたくさん表示できるように変更した。敵のグラフィックはサフィポッドではオムタルヴィでも描いてくれた黒衣都が描いてくれたけど、ケランジェロ洋服店では敵も自分で描いていた。すっごく適当な絵。

 ・オープニングイラスト



そこにはケミュンテ教団と呼ばれる恐ろしい宗教団体がいた。



彼らはケミュンテ教団と激しく戦った。
そして世界に平和が訪れた。

といったオープニングイラストを黒衣都が描いてくれて。それを大きく表示させていた。ケランジェロ洋服店ではどちらかというとSophiahill 1 の後のストーリー、という部分を強調したオープニングだったように思える。そのためメインテーマが母との関係になったサフィポッドではオープニング部分は大きく変わった。

・顔グラフィック



基本的に全員変更された。ケランジェロ洋服店では手書きしたものをスキャンして描いたキャラクター絵なので自分本来のタッチに近いといえば近い(サフィポッドではPCにマウスで直接描いたため)。

・メニュー画面


こちらもちょろちょろ変更されている。イメージで習得した知識が当時はレシピという表記だったり。

・NPCの顔



シャムやヘンタ、ティナファとかその他いろんなキャラの顔も描いていた。サフィポッドでは仲間になるキャラクターだけ絵がある。

とまあそんなケランジェロ洋服店は最初、クール2のネイミアが仲間になってクェアラーレたちを追いかけ、トロンの森の右端にある洞窟へいこう、というところでエンディングになっていた。ずいぶん短い話だった。

それから追加して追加してクール6くらいまで進み、雪だるまのコムムたちとの話あたりまで制作は進むもそこで終わっていた。途中で終わった作品。



人気投票やらサイトイラストを描いてもらったりやらでいろいろサイト内では盛り上がりを一番見せた記憶もある思い出深いゲームだったので、いつかちゃんと作りたいという気持ちもありながらそのまま放置される。

そして数年たってサイト内アンケートだったか、でサフィポッドとしてケランジェロ洋服店を作りなおすことになり。

というわけでここからはサフィポッドを振り返る。

・ベミルサフィ編

まずは一番大好きなベミルサフィ編。



サフィポッドが完成してしばらくバージョンアップを繰り返したあたりで追加されたシナリオ。当然ケランジェロ洋服店には入っていない、サブイベント的な位置にあるニルネリラがいないとすすめることができない場所。

黒衣都に丸投げした敵グラフィックを唯一自分で描いた場所。エノシャの顔も他キャラとタッチが変わっているのは描いた時期が異なるためで、クフメイルのネイミアやエスカルなんかを描いていた時期の絵になる。



ユヒス所長と対峙するエノシャの感情の表現、このシーンが実は全シナリオの中で作者一番のお気に入り。


ここだけでひとつのゲームにしようと思ったくらい結構気合いの入れた話が頭の中ではあった。でも実際やろうとすると時間もアイデアも行き詰まり状態だったため、サフィポッドの一部のイベントとして収まってしまった。このベミルサフィ編を追加したかったのは他作品との関連、ニルネリラやクアテュのことをもう少し掘り下げてゲーム内で表現したかったため。今までその部分が何もなかったのでこれは足りないと思い。後からでもサフィポッドに追加できてよかった。

・スノール



RPGとしては3番目くらいに制作した「あるゆきだるまの物語」とそれを作り直した「スノールの風土病」というゲームの世界と登場人物が登場するのがクール7のスノール地域。ケランジェロ洋服店ではクール6には出ていた気がします。

クール5までのラヌウェットの舞台が後半に登場するサイリーンの舞台では見た目的に真っ白に変化するがいい気分転換になったと思ってる。トーマ、カノ、ゆきだるまのコムム、やくそうを作るフィルンなど、あるゆきだるまの物語そのままに登場。この人たちは以前は風土病に悩まされ苦労していたんだけどコムムが解決してくれてカノも目が見える状態に。

サフィポッドではまた風土病の問題が生じて皇子ウェイザが病に伏せるけどカノたちは仲間になって元気に活躍してくれます。カノは仲間にならないというパターンもたしかあったような気がするけど詳しく覚えていない。選択肢による好感度によって仲間にならないというキャラクターが他にもいるため、カノもそうだった気がする。

・サフィネラーテュ

炎の穴120を作った後、サイリーン国にいくことになる。ケランジェロ洋服店ではそのまま特にストーリーなどなくサイリーンの町へいき、ウェイザのもとへといくことになるのだけど。サフィポッドではクール5の段階で何か大きな変化、たとえばそこまでを前編として、炎の穴を突破すると後編となる、ような雰囲気を醸し出しくなった。そこで登場したのがケランジェロだった。


クール5の時点での炎の穴の一番奥である120に到達し、さらに奥に進むと行き止まり、ケランジェロがいる。そこで大きな変化があるように。


サフィポッドの影響でコーラがサフィネラーテュになる。ここを作っているときのわくわく度は一番高かった。ただの猫のようなモンストゥだったコーラを別の姿にするというのはもともと考えていたことではなかった。そうしようと考えたのはサフィポッドのクール5あたりを作っていた本当ギリギリのところ。ケランジェロ洋服店から大きく変わっていった山場となったため作っていてわくわくした。


サイリーンの雰囲気もケランジェロ洋服店とはまた大きく変わった。町や洞窟などの配置もラヌウェットとは異なり似たような場所ではなくなる。

サフィネラーテュとなったコーラのお話はサフィポッドのシナリオの軸となり後半を進んでいく。自分でも想定していなかったけどそこからうまく話をまとめていくとココリとラオヌの話につながる。

特にベロックとココリとコーラの関係について。ケランジェロからココリを守ると約束したベロックとしては、石になったままのケランジェロであるほうがもしかしたら楽だったのかもしれない。ケランジェロが石に、コーラがサフィネラーテュとなったことで、ケランジェロに対する考えがそれぞれ表に出てきた。ので、オープニングからずっと問題となっていた親子の関係に大きな影響を与えた展開となった。

・コーラの名前

ところでコーラの名前。まるであるジュースのような名前。のちの作品であるクフメイルにも登場するコーラはその際はクフメイルという名前になっている。それについてはサフィポッドでは関係ないのでクフメイルを振り返ることがあれば振り返るかも。あまり大きな意味はないです。


・レベル上げポイント


RPGでは獲得できる経験値量の変化というのは大抵流れが決まっていて。序盤は少しでゲームが進むにつれて増えていく。同じ場所、同じ敵では成長するにつれてレベルが上がりにくくなる。それはもちろんプレイヤーが強くなるからで。ずーっと上がりまくりではとても簡単なものとなってしまうから。という大抵のゲームではそうであろう経験値のバランスというのは相場が決まっているのかも。

そんな中、後半になると敵が強くなってきてレベル上げが難しくなり。どこかレベル上げをしやすい場所がないだろうかと思うのはRPGをやっていて思うものでした。大体のゲームではどこか一か所くらいは経験値を獲得しやすい場所があったもので。そういうのはやっぱり追加したかった。

それがあの場所になりました。気づく人もいれば気づかない人もいる。そんな場所だからこそ、経験値が獲得しやすくお金やアイテムも取得しやすいボーナスポイント。そういうのあるとわくわくしました。



・イラスト


ケランジェロ洋服店時代からサフィポッド時代まで。このページのところどころにも挿絵にしているけど、登場するキャラクターを描いてくれた方も何人かいて。自分でも黒衣都と描いたりしたり。他のゲームに比べてイラストとして描いたことも結構多かった。

イラストがうまいか下手かっていうのは見る人にとってはとても大事なことなんだと思うけど、描く側としては何より描いてて楽しいと思えることが大事な気が今ではしている。いいわけ。

・攻略サイト

二つ目の攻略サイトである有里様制作のLast Arkeydear(サフィポッド)。

サフィポッドの項目を見てみると、シナリオを順番に攻略しているシナリオ攻略、クール別サブイベントを網羅したサフィ資料攻略、エンディングを終えてからと通常部分とはちょっと離れた魂の塔について書かれているその後、アイテムやサフィ石片など様々なデータベースである収集に関して、さらに小ネタや特別な情報を持つその他など、非常に情報が充実しています。

ユーザーとしてでの目線と作者による目線というのは大きく異なる部分があるのは承知の上、個人的に目がいくのはやはりシナリオ攻略の部分。全てシナリオ攻略は完成しているのですが、その中でも特にクール1~2までの間(現時点)は集中してゲーム進行を完膚なきまで叩きのめされるほどすべて書き込まれていることに驚く。それはいったいどういうことかというとゲームの中での物語の展開を大まかに書いているだけではありません。要所要所ではセリフをしっかりと記録。選択肢におけるその後の展開もしっかりと。アイテム取得のタイミング、いやすべてがひとつの小説を読んでいるかのよう。これでサフィポッド小説化決定。ゲームをプレイしなくても攻略サイトLast Arkeydearを読むだけで十分なほど。すごい、いい意味でおそろしい。マニアの本気を見せていただけるとはうかがっていましたが、まさかここまでとは思いもしなかった。脱帽です。

フリーゲームが星の数ほどある中で自分の作品の中のひとつであるサフィポッドを取り上げてくれて、しかもゲームのすべてといっても過言ではない、ありとあらゆる情報を文字にしてサイトに上げてくださった。並大抵の努力、時間、エネルギーではここまで作り上げることはできないと思います。作者よりも大きな時間を費やしてくださったことでしょう。感謝と尊敬の念をもってこれからも拝見していきます。ありがとうございます。



とまあこんなにすごい記事を見ているとやはり作者としては制作意欲をかきたてられ、色々追加したくなってしまう。魂の塔とか。200で終わらずもっと進める予定もあったし。トロン森の南の宝石闇の敵を倒してもらえる石もそれ以上の強敵がいなければ使うべき場所が・・。さらなる強敵を要するわけで。とか。しかしながらいまさら追加すると攻略サイト様側としては非常に面倒なことになりかねないので簡単に追加変更というのはしかねるべきであり。このあたりはよく考えないといけないのです。

・・・追加編集中。

2 件のコメント:

  1. ケランジェロ洋服店は雑誌に紹介されていて、気になってゲームしたのがきっかけでした。
    あの頃のサイトではランキングも公開されていて、上位ランカーに入った時はかなり喜んだ記憶があります。

    ・・・と、言い忘れてました。
    サイト引っ越しお疲れ様です。
    久々に覗きに来たら変わっていたのでびっくりしました。

    これからも素敵なサイトのままでいてください。

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  2. こんばんは、お返事が遅くなりました。
    きっかけがケランジェロ洋服店。
    思えばコメントしてくれていたことを記憶をだぐりよせると思い出します。

    引っ越し祝いありがとう♪
    これからもゆっくりのんびりとお願いいたします♪

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